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好きなことと日常生活についての雑記

”TOP HAT”の感想

TOP HATを観てきました。

感想を一言で言うなら「すごいものを観た」です。

坂本さんのミュージカルは”MURDER for Two”と”戸惑いの惑星”だけで、王道のミュージカルは観たことがなかったのですごく楽しみにしてました。

 

観た結果、1789で会得してしまった”チケットを増やす”という行為に走りました。もともとFC枠で2公演当たっただけでも喜ぶべきことなのに、気づいたら当日券の列に並んで2公演が6公演に増えてました。それくらいどハマりしてしまいました。で、チケットを増やしたら1階席から立ち見まで網羅してたのはさすがにやり過ぎたような気がする。

 

 

 目次

 

 

 

キャスト編

ジェリー・トラヴァース(坂本昌行

最初から期待値高めで観に行ったのに期待以上だった。

V6の楽曲を歌うときとは全然違う歌い方で1曲目からグッと引きこまれただけでなく惚れ直した。艶のある歌声ってこういう声なのかな、と思った。ジェリーの品の良さと色気を纏ってた。

お気に入りの曲は"Top Hat,White Tie and Tails"と"Cheek to Cheek"

"Top Hat,White Tie and Tails"はジェリーのロンドンでのショーの場面。タイトル通りシルクハットに白いタイ、燕尾服でステッキを持ってタップを踏むジェリーはすごくかっこよかった。何よりこの服装が似合ってる坂本さんのスタイルの良さに感服した。自分が坂本担で良かったって思っちゃった。

”Cheek to Cheek”はデイルへの想いがあふれるような優しくて甘い歌声が素敵だった。ダンスでデイルをリードする姿もかっこよくて夢の世界にいる気分だった。

余談ですが、TVガイドPersonで”恋をするなら坂本昌行”なんてキャッチコピーがついてて最初はなんだこれwとか思ってたのに、ジェリーを見たらその通りとしか思えなくなって私的流行語大賞に認定されました。あと、TOP HATロスの解消のためにライブBD見たら坂本さんにキュンキュンしちゃってロスが悪化しました。

 

デイル・トレモント(多部未華子

期待以上だった方その②

可愛さは勿論のこと、歌もダンスも申し分なかった。何より声質がいいのか歌詞がすごく聴き取りやすかった!もっとミュージカルで観たいなと思いました。

”You're Easy to Dance With”はジェリーに心惹かれて浮かれてるデイルがすごく可愛くて大好き。蹄鉄型の花を気に入っちゃうのは「あ、デイル的にはアリなんだ!」ってちょっとびっくりしたけどw

"Wild About You"はデイルが自分がされたのと同じように扱ってやる!とジェリーを誘惑しに部屋に押し掛けるけど、怒りが隠しきれてないのがキュート。

 

アルベルト・ベディーニ(屋良朝幸)

V6以外のジャニーズの人の舞台を観たことがなかったので初めましてでした。ダンスが得意だというのは知っているけどまさかのダンスなしの役。ダンスを見てみたい気持ちはあったけどそれ以上に面白い役でした。

なんといってもベディーニのキャラが濃いし、クセが強い!

語尾が大体「~ノ!」だし、びっくりするほど自信満々なイタリア男だった。

デイルとの関係は不憫な結末で終わるからベディーニ視点で観たらちょっと悲しいけど、最後にさりげなく手を取ってくれる女性がいたので救いもあったかな。

屋良さんの声もよく通る声で聴いてて気持ちがよかった。もっと彼の舞台を観てみたいな。

 

マッジ・ハードウィック(朝海ひかる

デイルの友人でジェリーとの恋の橋渡しをしようとする役割と夫のホレスを振り回しまくってるのが面白かった。ホレスとのデュエットではお互いに嫌い嫌いと言い合ってるのに、それ以外は大好きって言うから愛情がないわけじゃないのが可愛い。結婚3年目だけど長年連れ添ってきてるんじゃないかと思うくらいお似合いの夫婦に見えた。

 

ホレス・ハードウィック(益岡徹

作中でベディーニに並んで不憫な人だと思う。デイルの勘違いから振り回されっぱなしでマッジにひっぱたかれたり、ベディーニが乗り込んできて殺意を向けられたり…。それでも妻のマッジへの愛情はちゃんともってて優しい紳士だった。

 

ベイツ(浅野和之

作中で狂言回しのようなポジションにいる執事さん。ベディーニに並んでキャラが濃くてクセが強い!数々の変装で笑いを誘い、個性的な言い回しでまた笑いを誘っていました。

1番好きなのはホレスがデイルにひっぱたかれた件をホテルのマネージャーに問い詰められる場面の”め”の一族のくだり。マネージャーの言葉遣いのクセなのか”私め”の”め”がやたらと強調されるのに合わせて”め”が強調されていくのが可笑しくて何回観ても笑っちゃった。公演を重ねる度にマネージャーの「私めー」が伸びていく気がしたのが楽しかった。

ベイツがホレスの身代わりにひっぱたかれたことになってマネージャーがいなくなった後の2人の会話が好き。

ホレスがベイツを魚顔のうつけ者と𠮟責するフリをしたのを踏まえてのコレ。

 ベイツ「ただ立っている者も役に立っているというものです。」

 ホレス「シェイクスピアか何かか?」

 ベイツ「存じ上げません、魚顔のうつけ者ですので。」

他にも言葉遊びのようなセリフがたくさん散りばめられててすごく面白かった。

 

 

 

 

楽曲編

Top Hat Overture

作中で奏でられる楽曲がメドレーになっててTOP HATの世界観に入り込む感覚になれて素敵だな、と思う。

英国キャスト版のCDを買ったものの、日本人キャストの声を上書きされちゃったら寂しいなと思ってまだこの曲しか聴けてない…。本当に素敵なミュージカルだったからできることなら日本人キャストのCDも発売してほしい。聴くのと布教用で2枚買うから、切実に。

 

Puttin' on the Ritz

ジェリーの登場、ニューヨークでのショーの場面。

幕前で男女4人のアンサンブルのタップから始まって、幕が上がるとさらに多くのアンサンブルのタップ。音がピシッと揃ってて圧巻!

千秋楽のカテコで坂本さんが言ってたけど日本にもこんなに素晴らしいダンサーさんがいるんだ!って驚いたし、その真ん中で歌って踊る坂本さんもすごいと思った。ダンスやタップの知識なんて少しもないから専門的なことは分からないけど、スキルはとても高いんだろうなと思った。

 

No Strings

ジェリーがホテルの部屋でソファに座ったまま歌いだすんだけど、セリフから歌い始めが滑らかでスッと歌いだすから気持ちがいい。帽子掛けを女性に見立てて踊りだすのがかっこいいというよりチャーミングで大好き。

観劇前から気になってたのが、上の部屋でタップを踏むジェリーと下の部屋で寝ようとするデイルをどう表現するのかということだったんだけど、舞台装置がくるっと回ったらベッドの中にデイルがいてその上でシャドージェリーが踊っててびっくりした。本当に上の階にいるみたいだった。

 

Sand Dance

ジェリーがソファにぴょんと飛び乗ってデイルに「待って!まだおやすみなさいを言ってないよ」の言い方がめちゃくちゃ可愛かった。その後一目惚れしたデレデレの顔でソファからズルズル崩れ落ちるのも可愛かった。14日に観たときはうつ伏せでビックリするくらい滑らかにスルーンッて滑り落ちててすごい笑っちゃった。25日に観たときは崩れ落ちた後の姿勢がテディベアみたいでやっぱり可愛かった。

サンドマンとして踊る場面はすごくしなやかな動きで、あれを聴きながら眠るデイルがちょっと羨ましい。いつだったかホレスも眠っちゃってたのを見てフフッて笑っちゃった。

 

I'm Putting All My Eggs in One Basket

ジェリーの「昨日はよく眠れた?」の返しで、「ぐっすりだったけれどたっぷりじゃなかったわね」が絶妙なツンツン具合で好き。あと、靴底でマッチをつけてデイルの煙草に火をつけてたのがかっこよすぎた。

ジェリーが馬車の御者に扮してデイルについて行くのは一歩間違えばストーカーでしかないけどそんな野暮なツッコミはラブコメには不要かな?

初めてこの曲を聴いたとき、坂本さんの甘い歌声に惚れ直した。芯はしっかりあるけど愛情のある暖かい声に包まれる感覚だった。雑誌のインタビューとかでV6での歌い方とミュージカルでの歌い方を変えてるという話は何度か見たけどここまで顕著に違うものか、とびっくりした。MURDER for Twoは1人で10役以上演じていたこともあってか、それぞれの役の声色で歌っていたから気付かなかったけどミュージカルではこういう歌い方になるんだなって強く感じた曲だった。MURDER for Twoのときだってすごく器用なことをしてるんだけどそれとはまた別の衝撃だった気がする。

馬車に乗ってるデイルは御者がジェリーだとは知らずにニコニコしながら歌を聴いてるのに、ジェリーがタップを踏んだ瞬間に気付いて「あなたね!」って天窓開いて、ジェリーはジェリーで「いないいないばあっ!」って言うしこの2人が可愛すぎる。25日は天窓の勢いが良すぎて閉まりかけちゃってジェリーがそっと開けてたのはさらに可愛かった。

バレちゃった上に馬の操り方を知らないジェリーの「馬と女は操り難すぃー」の言い方が好き。デイルから「新しい帽子でもお買いなさい」って言われてもらったコインを劇中後半までずっと持ってるのも可愛い。

あと、デイルに正体がバレないように東北訛りでしゃべってるジェリーが不審者感満載だった←

 

Isn't This a Lovely Day

公園でジェリーとデイルが踊る場面。初めはジェリー1人で踊っていて、デイルがだんだん興味をもって一緒に踊りだすまでの表情の変化がすごく可愛らしかった。

気になるからジェリーをそーっと見るけどジェリーが振り向くとパッと顔を背けたり、ベンチに座るジェリーが肩を抱く素振りを見せたら浅い位置に座り直したりする微妙な距離感が少しずつ近づいていくのがじれったくもあり、応援したくもなったりした。デイルの方から短くタップを踏んでジェリーが振り返るところが素直になりきれてない感じがして好き。

ジェリーが雨の様子を確認するために手を出したあとの濡れた手を払う仕草がすごくかっこよくて惚れた。

 

You're Easy to Dance With

公園からホテルに帰ってきたデイルがジェリーへの恋心を爆発させて歌う場面だけど、回を重ねるごとに弾けっぷりが増してた気がする。勝手に浮かれデイルなんて呼んでるけど浮かれ方が可愛い。蹄鉄型の花も気に入っちゃうところ好き。ベディーニとベネチアに行くのもやめようとするくらい恋の力で全力疾走してるデイル本当に可愛かった。

こんなにウキウキなデイルがちょっとした行き違いでホレスとジェリーを勘違いして一目散にヴェニスに発つんだから急転直下というしかないよね。

 

Eggs Reprise

デイルがジェリーのことをホレスだと思い込んでパーンとひっぱたいても頬を押さえながら愛おしそうに微笑んで歌うジェリーの包容力ヤバイ。

 

What Is Love?

アンサンブルの女性の衣装がヒラヒラしててすごくきれいだった。貝を模したオブジェの上にいた方の声がよく通るなーと思いながら見てた。

デイルがヴェニスに行ったと知ってすぐさまホレスに飛行機をチャーターしてくれなんて頼むジェリーが一途すぎる。それからホレスはやっぱり不憫。冒頭でマッジの金遣いの荒さの例として飛行機のチャーター代を挙げてたのを聞いたはずのジェリーに同じこと頼まれるっていう…wそりゃ「(飛行機って)どんなやつ?」って聞きたくなるし、「翼のついてるやつ!」って答えちゃうジェリーもジェリーだけどw

ショーのフィナーレの準備をするジェリーが鏡台の前に座るときに燕尾服の裾を捌く仕草とか、鏡に映るメイクする姿とか何気に双眼鏡でガン見したくなるポイントが多かった。

あと、場面転換直前のジョージのセリフが「私上手ー!」と「私下手くそー!」で公演ごとに変わってて今回はどっちかな?なんて地味に楽しみにしてた。

 

Top Hat, White Tie and Tails

1幕の見せ場の1つ。燕尾服姿のジェリーとアンサンブルの方のダンスの迫力がすごかった。デイルに向けて歌うときよりキリッとしててまさにスターなジェリーがめちゃくちゃかっこよかった。アンサンブルが捌けてソロでタップ踏むときのちょっと澄ました顔のジェリーも大好き。タップを踏みながらステッキでも床を打ってるのがすごくて、毎回どんな動きしてるのか見たくて双眼鏡でガン見してた。坂本さんの器用さに驚かされた。

それから、自分が群舞が好きすぎることにも気づいた。燕尾服にシルクハット、ステッキで揃ってタップを踏んでるの見られただけでチケ代以上の価値ありって思っちゃった。本当にこの曲が大好きでときどき脳内再生してる。

 

The Piccolino

ピンクの衣装を着たダンサーさんが綺麗に踊ってるのが印象的だった。ダブルキャストスペシャリティダンサーってこの場面の人だったよね?すごく情熱的に女性をリードする姿がかっこよくて視線が釘付けになった。

それからマッジがここでやっと出てくるんだけど存在感がすごくあるから2幕からの登場だってことを忘れそうになる。

デイルとマッジが会った時の会話が面白かった。

デイルが公園でホレスに追いかけられたと言えば「あの人そんなに動けたの?で、追いつけたの?」と返すし、それを肯定すれば「やるじゃない!」と楽しんじゃってる勢いのマッジのキャラが強烈。ジェリーとホレスを勘違いしてるせいで起きるそれぞれの視点の食い違いが面白かった

 

Wild About You

激おこデイルのソロナンバー。

自分のことをすっかり忘れてると思ったデイルがジェリーとホレスの部屋に乗り込んでいく猪突猛進っぷりがすごい。歌詞はなかなか情熱的なのに怒ったデイルの迫力に訳が分からずされるがままのジェリーが気圧されて後ずさりしながらもステップ踏んでるのがすごく可愛かった

乗り込む前にマッジと「ご主人が怯えて他の女性を見なくなってもいいかしら?」「どんなに怯えても見るわよ」って会話が好き。その言葉通りと言ったらなんだけど、デイルが黒のドレスの裾をバッと開けて見せた足に視線を向けるジェリーの下心的なものが垣間見えたりして楽しかった。

デイルが「(ホレスにされたのと)同じ扱いをしてやるだけよ!」って言って既婚者のフリをしてジェリーに迫るのに夫の名前を間違えたり、結婚指輪がなかったりして既婚者じゃないのがバレて”しまった!”って顔してたのが最高に可愛かった。

 

Cheek to Cheek

燕尾服のジェリーとフワフワな白いドレスのデイルのダンスが最高すぎる。

Wild About Youの下心ありなジェリーが素敵な紳士になるこのギャップはズルいでしょ。”恋をするなら坂本昌行”のキャッチコピーを1番感じる場面だった。何より、あんな耳元で甘い声で歌われたらデイルだって惹かれるのは必至だよ。

多部ちゃんの体を反らせるしなやかさもすごいし、それをリードして支える坂本さんもすごいかった。信頼して息が合ってないと難しそう。リフトも軽々とするし上がった後の多部ちゃんも体勢が崩れることもないし、下ろすときも壊れ物を扱うみたいに優しくて結局2人とも素敵すぎた。正直どう言葉にしていいかわからない、語彙力が爆発四散して消えちゃった。

 

Better Luck Next Time

デイルがもう2度とこんな恋はできないと歌うのが切なすぎるし、恋心の本気度合いが伝わってくる。公演を重ねるたびに歌声に感情が乗ってくるように感じた。バルコニーに佇む多部ちゃんがディズニー映画に出てくるプリンセスそのままって感じで切ない場面だけど可愛いくて好き。

この後、ベディーニのプロポーズを受けちゃうのは「早まらないで~」って毎回止めたくなっちゃうw

 

Let's Face the Music And Dance

ジェリーとデイルのデュエットめっちゃ好き。ここまで色んな曲があったけどデュエットはないから、ここでようやく2人の心が通い合って結ばれる感じが強くていいなと思った。唯一、デイルがベディーニと結婚しちゃったことを除いて。

この後、尾行してたベイツが牧師さんに変装してたことを明かして2人にとっては万事解決するけど、牧師さんの変装姿だけはここまでで1度も出てこないから初めて観たときはドキドキハラハラした。曲調も明るい感じではないからドキドキ感は結構強かった気がする。

 

 

 

まとめ

いつもの遅筆さで無事に年を越しました←

今年も元気にオタ活したい。

カウントダウンの年男企画でイノシシカチューシャつけてる坂本さんが可愛すぎてジェリーを演じてた人と同一人物なのか疑った。今年はV6のコンサートがあるといいなー。