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好きなことと日常生活についての雑記

1789-バスティーユの恋人たち-を観てきた②

今回は4/18マチネ・ソワレを観てきました。マチソワ両方観るのは初めてだったのですごくワクワクしながら劇場に行った。

 

キャスト

マチネ

ロナン:加藤和樹

オランプ:神田沙也加

マリーアントワネット:龍真咲

 

ソワレ

ロナン:小池徹平

オランプ:夢咲ねね

マリーアントワネット:凰稀かなめ

 

 

 

マチネ

初演では観られなかった加藤和樹さん!再演が決まったときに絶対に観ると決めていたので「これでWキャストのそれぞれの良さを観られる!」とずっと楽しみにしてた。実際に観たら期待以上に良くてチケットを増やしたくなってて泥沼の予感がしてる。

 

 

ロナン:加藤和樹

念願の和樹さんのロナン、登場して最初に思ったのが”体が大きい”。分かってたけどおっきいな、ほんとに。でもさ、通して観たらすっごく純朴な青年だったから驚いた。見た目のワイルドさに反して田舎の純朴な青年のギャップは人懐っこい大型犬みたいだと思った。身長が高いからデムーランやロベスピエールと自然に肩を組めてることに謎の感動を覚えたw

拷問を受けるときの表情と声がすごく苦しそうでこの場面はやっぱり胸が苦しくなる。オランプへの愛情がすごく伝わってくるロナンだった。あとさやンプとの身長差が大きくてすっぽり腕の中におさめるところでキュンとしちゃった。少し屈んでキスするのもすごく好き。

球技場の場面のクランプのかっこよさは尋常じゃない。というかダンスが全部かっこいい、好き。

声質の違いもあってか徹ロナンとはまた違う印象を受けた。ハスキーでデムーランたちと調和するような声だから革命が起きる原動力であり、それを持続させるために支えるような力強い声だと思った。低音がすごく綺麗に響くから心地よく聴けた。

 

マリーアントワネット:龍真咲

初めて観る女優さん。結構歌は上手だったけど演技の方は思ったよりハマらなかった。”悲しみの報い”のソロパートは高い方のキーでちょっと安心した。登場の場面やフェルゼンとの密会の場面では結構可愛い感じだったけど、後半は王妃としての威厳が十分にあってよかったと思う。

 

ちょっとしたハプニング

印刷所でロナンが印刷機を触って版画板がドンッと落ちてくるところでちゃんと落ちてこなくてロナン・デムーラン・ロベスピエールが「あれ?大丈夫か?」って点検するような感じになっちゃった。ロベスピエールの帽子も飛んでいくはずだったのに飛ばせなくなっちゃったからそっと印刷台に置いてた。

 

ラマールの頬骨占い

「生前は黒縁メガネの似合う美人だったに違いない」

「分かるんですか?」

「頬骨の感じでな」

 

カーテンコール

捌けるときにオランプがアルトワにシャドーボクシングかましてて可愛さがあふれてた。

 

 

 

 

ソワレ

初演のときと同じ組み合わせで少し懐かしさも感じつつ、それぞれが進化してたから新鮮さも感じた。5月にもう1度この組み合わせで観る予定なのでとても楽しみ。それから、初めて前方センターブロックの席だったんだけど役者さんの表情までしっかり見えて群舞の迫力もものすごく感じて最高だった。

 

拷問の場面で鞭が上手く巻き付かずにやり直したり、焼鏝を当てるときにシャツを大きくはだけてポロリしちゃったりでこの日はなかなかお得感があってニヤニヤした←

徹ロナンが”二度と消せない”のアウトロで一瞬口角を上げて微笑んでたのがオランプへの恋心をひしひしと感じてすごく良かった。濡れ衣を着せてしまったオランプが助けに来て、一緒に逃げるうちに芽生えていた恋心が燻ったまま言葉にする前にオランプの気を引くためにお礼と称してキスしちゃってやっと気づいたように感じられて本当に感情の変化がスムーズでこっちもドキドキしちゃった。突然キスされたねねオランプもその場では驚きと戸惑いで「もう二度と会わないから!」と怒ってしまうけど、この後気もそぞろになるほどロナンのことを考えてしまうあたりが可愛かった。

ロナンが撃たれたあとロベスピエールが地面をバンバン叩いて悔しさと悲しみにくれていたのが印象的だった。

 

ラマールの頬骨前頭骨占い

「生前はミュージカルの観劇が大好きだったに違いない」

「分かるんですか?」

「あぁ、前頭骨の長さでな」

 

抽選会

トリプルカテコでロナン・オランプ・マリーアントワネットの3人が登場。MCはトゥルヌマン役の岡田さんとロワゼル役の加藤さん。サイン入りポスター&プログラムは抽選済みでロビーに張り出されている結果を見るスタイルでグッズinマルシェバッグの抽選が行われました。これがまた3人とも可愛くて楽しかった。1人ずつ箱の中のチケットの半券を取っていくんだけど…

 

夢咲「何が出るかな♪」

加藤「半券だよ」

結果:1階席の方

 

加藤「次はかなめさんお願いします」

夢咲・小池「何が出るかな、何が出るかな♪」

加藤「だから半券だって!」

結果:1階席の方

 

ロナン&オランプで歌い出すの可愛すぎやしませんかね?その様子を楽しそうに見守ってるアントワネット様も可愛すぎる。可愛いが列をなして渋滞してる。最後に徹ちゃんの番。

 

「まだ2階席出てないよね、引きたいなー」

結果:2階席の方

 

さすがロナン、引きが強い。5人がみんなで手をかざして当たった方を探す仕草しててまた可愛かった。最後に徹ちゃんが一言まとめて終了。舞台袖に捌けていくときに誰も捌け方が分からなくて右往左往してたのも可愛かったし、ねねちゃんとかなめさんが仲良く手を繋いで、徹ちゃんも繋ごうとしたらかなめさんに嫌っ!ってされること数回、結局繋いでもらえず落ち込んでたのも可愛かった。抽選会は終始可愛かったので当たっても外れても幸せな時間だった。また後半にも何か企画しているとのことなので楽しみですね。

 

 

 

これで再演のWキャストは一通り観ることができたので、それぞれの違いとか思ったことを書こうかな。

 

ロナン

まず、デムーランたちと並んだときの体格差で印象が全然違った。和ロナンは背が高いから肩を組んで歌ってもすごく自然で同じ志をもった仲間っていう印象が強いんだけど、徹ロナンは頭1つ分低いけど貧しい暮らしでロクなものを食べてなくて成長しなかったって勝手に思ってる。初演で両側にいる2人をグイッと屈ませて肩を組むのも男前すぎて好きだったけど、再演の背中に手を添える方が自然でいいなーと思った。

 

脱獄してオランプと2人で逃げるときに「早くしてくれ」っていう台詞の言い方が和ロナンの方が幾分優しくて、徹ロナンはこの次の「こっちだ」って台詞から少し優しくなってくところに2人の距離感の縮まり方の違いを感じた。

 

脱獄後に印刷所に戻ってデムーランたちと衝突する場面は労働階級の平民たちがプチブルジョワに牙を剥いて戦いを挑んでいるようで、同じ平民でもお互いに分かり合えないほどに差があって弱い立場の人間が自分たちの想いを主張して壁を乗り越えていく姿は1つの革命なんじゃないかと思った。分かりあうためには避けられない衝突を経たからこそ後々1つにまとまって王政に反旗を翻すほどのエネルギーを生み出せるのかもしれない。その平民たちの先頭に立つロナンのかっこよさはどちらのロナンも備えていて、「その頃俺は飢えていた」の一言から仲間だったはずの印刷工たちがロナンに賛同して牙を剥く様は革命家3人にとって相当な脅威だと思う。この場面があるからダントンに頼まれてパリ中から戦える男たちを集めちゃうなんて無茶なこともできるのもなんとなく納得できた。女たちも集めてきちゃうソレーヌも合わせてマズリエ兄妹最強なのでは…?

徹ロナンはデムーランたちの「夜食にパンを齧っていた」発言でペイロールの拷問で吹き込まれた疑念にカチンときて反発しているような印象があったけど、和ロナンは植え付けられた疑念とデムーランたちと差がある現実を照らし合わせてじわじわと怒りに変換されているような印象があって両ロナンの解釈の違いを感じた。

 

2幕のオランプとの別れ際で「自由になったらまた会おう」と言う場面で和ロナンはオランプに背を向けて言った後で振り返って台詞を続けるのに対して徹ロナンは最初からオランプと向き合って言ってた。ほんの少しの違いだけど和ロナンには戦いになれば自分が死ぬという可能性があることも理解しているように見えて、徹ロナンは必ずもう1度会えると信じて進もうとする強さを感じた。an・anのオランプ対談で2人を太陽と月に例えていたのが納得できる場面だった。同じ役を演じているのにそれぞれの解釈と役作りで真逆にも見えるので本当に何度も観たくなるのが面白い。1回しか和ロナン回を取らなかったことを後悔した。確実にWキャストの深みにハマりつつあるのが怖い。

 

体格が違うからダンスの見え方も結構違った。和ロナンは重さを感じるダイナミックなダンスで徹ロナンは小回りがきいて軽やかさを感じるダンスだった。勿論どっちも大好き。

”悲しみの報い”のラストで1人で上に立ってる時の和ロナンの晴れやかな笑顔も、徹ロナンの穏やかな笑顔も好き。

 

 

オランプ

どっちも可愛いし素敵なオランプなんだけど、沙也加オランプはすごくしっかりした女性に見えてねねオランプは何事も全力投球で一生懸命な女の子っていうイメージがある。沙也加オランプは、アルトワに王妃のスキャンダルを疑われてもサラッとあしらってるように見えたので別の部署で数年王宮仕えした上で養育係に抜擢されたっていうバックボーンを勝手に想像してて、ねねオランプは疑われたときの反応に素の感情が混じってるように見えたので王宮仕えし始めてあまり時間が経っていないのかなと感じた。

 

王妃の下を去る場面で、沙也加オランプが心を決めて結構早足で去っていくのに対してねねオランプが少し名残惜しそうにゆっくり去っていくところが2人のオランプの性格の違いのように思えた。1度決めたらブレずに進んでいく沙也加オランプもまだ周りのことに流されそうなねねオランプもどっちも好き。沙也加オランプだったら一緒に戦ってくれそうだし、ねねオランプだったら守ってあげたくなると思った。

王妃に自分か愛する人か選びなさいと言われたときの反応が沙也加オランプは王妃への敬愛とロナンへの恋慕で板挟みになってるように見えて、ねねオランプは敬愛と恋慕のどちらにも全力だからこそ選びきれないように見えた。

 

 

マリーアントワネット

王太子の葬儀の場面でポリニャック連れられて行くときに真咲マリーは小さく泣き声が聞こえるくらいだったのに対してかなめマリーは棺に手を伸ばして「ルイジョセフー!」と叫んでいて随分違う演じ方だと思った。真咲マリーは王太子が亡くなったことに嘆きを強く感じたが、かなめマリーは悲しみを強く感じた。

1幕で真咲マリーは不本意な政略結婚で恋することがなかったために恋に恋する少女のまま嫁いだ結果贅沢に溺れて毎夜ギャンブルしているというイメージを持っていて、王太子の死で少女からフランス王妃として成長していくように見えた。

一方でかなめマリーは結婚前に愛を知っていたからこそ愛に飢えてそれを埋めるためにギャンブルに興じたりフェルゼンに恋心を抱いたりしてたイメージがあって、王太子の死で身近に愛すべき人がいて愛を与えてくれる人がいることに気付いて王妃の本来の姿を取り戻していくように見えた。国王の愛情が不器用すぎて見えなかったのかな、と思った。

オランプに自分か愛する人を選ぶように言う場面で真咲マリーは親友に恋のアドバイスをするかのようで少女に戻ったみたいに感じられたけど、かなめマリーは少し強めの言い方で選択を誤って後悔しないようにと諭すようで母性を感じた。

 

 

 

Wキャストが3役もあると組み合わせが多くて本当に迷った。初演で観た組み合わせも観たいし、和ロナンも観たいしなんて言ってたらチケットの枚数が過去最多になってたよね。Wキャストの罠怖い…。東宝さんも組み合わせでスタンプラリーするとか鬼ですわ。到底制覇することなんてできないんだけど、面白いから何度も観たくはなる。