右手と左手に一つずつ

好きなことと日常生活についての雑記

1789-バスティーユの恋人たち-を観てきた①

4/11マチネを観劇してきました。 

 

キャスト

ロナン:小池徹平

オランプ:神田沙也加

マリーアントワネット:凰稀かなめ

 

再演が決定してから楽しみすぎて徹ちゃんのFCにも入っちゃった。初演を観たあとロスが激しすぎて生きた心地がしなかったくらいハマっちゃったので再演は本当に嬉しかった。

 

 

初演と比べていくらか変更されてるところがあって分かりにくかった部分が納得できるようになっててよかった。逆に変わってなくて安心したところもあったり。印刷所でロナンがデムーランに顎クイするところとか、ラマールの客席いじりとか。

 

分かりやすくなったと言えばやっぱりロナンとオランプの恋かなー。初演は唐突すぎて若干置いてけぼり感があったけど、今回は2人がお互いにグッと惹かれあう様子が感じられた。あ、でもさやンプで観るのは初めてだから今度ねねンプで観るときに比べてみる方がいいか。とにかく徹ロナンとさやンプが可愛くて最高だった。初演で観た徹ロナン×ねねンプも好きだったけど今回のペアは可愛さが増してて悪くないなーと思った。

台詞も少し変わってて、革命の兄弟で「ようし、信じよう」が「嘘をつける顔じゃねぇな、信じよう」って変わってた。この変更は良かった。

 

 

ロナン:小池徹平

初演と比べて歌が上達してたのがよく分かった。正直、初演のときは声がちゃんと出てなくて聞き取りづらい歌詞があったのに今回はほとんどなくなってたから感情移入もしやすかった。純粋にかっこいいと思える役を観られるのが幸せ。べらんめぇ口調も薄まって自然な演技にになっててよかった。

”耐えてみせる”の歌声がすごく好きで「このロナンは拷問程度じゃ絶対折れないな」と思わせてくれる芯が1本通っている力強さを感じられた。それでもペイロールの「プチブルジョアたちは貴族に嫉妬していてお前が飢えている間に学問に励んでたんだぞ」という言葉が疑念の種を植え付けていると思うと、その後の印刷所でデムーランとロベスピエールが読んだ本の数を競ってたとか夜食にパンを齧りながら勉強してたなんて話を聞いたら彼らに対する反発も納得。

拷問シーンの焼鏝は叫び声が初演以上に生々しくなっててこっちまで苦しくなるくらい痛々しかった。でも好き←

最後に舞台の上からすべてを見下ろして笑顔で歌ってると本当にこの世にいないんじゃないかと思うくらい儚く見える。

父親を殺されたり、その仇に拷問されたり、オランプとは同じ平民なのに立場の違いでなかなか結ばれないし、やっと結ばれるかと思ったらバスティーユで父親の仇に殺されるしで結構報われず本当に革命の歯車の1つであって時代の波に飲み込まれた小さな命の1つを代表してるようで苦しくなった。

 

オランプ:神田沙也加

初めて観たけどすごく可愛かった。王妃への敬愛とロナンへの恋心の間で葛藤して揺れ動く様子が切なくて好き。王妃への忠誠心とか濡れ衣を着せてしまったロナンを助けにいく義理堅さのようなオランプの真っ直ぐなところと、怒りを原動力に自由を勝ち取るために革命に身を投じるロナンの真っ直ぐなところが似ているように感じた。だからこそお互いに初対面の印象は良くないのに惹かれあっていくんじゃないかと思った。一言で言うなら喧嘩ップル。

 

マリーアントワネット:凰稀かなめ

初演のときからかなめさんの演技が結構好きで、第2幕からの王妃としての務めに気付いてそれを果たそうとする姿がかっこいいと思う。王太子が亡くなったときの悲壮感もギュッと胸を締め付けられるようで苦しかった。王妃の務めを自覚して国から逃げず国王とともにあると決意する瞬間が本当に好き。自分の恋心を抑え込んで本来愛すべき人を改めて選ぶ姿は切ない。1つ残念だったのは”悲しみの報い”のソロパートのピッチを下げてたこと。初演でも高音で歌えてたと思ったけどそれじゃだめだったのかな。

 

ロベスピエール三浦涼介

今回からの新キャスト。第一印象は綺麗なお人形さんみたいな顔だなーという感じ。ダンス上手だし歌も悪くないんだけど何故かあまり記憶にない…。あ、ペイロールに顔踏まれてた。あと何度か観に行くからもう少しちゃんと観たい。

 

ダントン:上原理生

初演と変わらずいい声です。前より兄貴感が増してる気がする。ペイロール見た瞬間噛み付かんとばかりに飛び出そうとするロナンを押さえたりするところとか、ちゃんとその場を見渡してバランスを取るように動いてるように感じた。でも、革命に身を投じる情熱はしっかりあるのがグッとくる。

 

デムーラン:渡辺大

今回観た中で推しの徹ちゃん除いて1番変化を感じたのはデムーランだったかもしれない。歌がすっごく上手くなってた!前回ちょっと不安定だなーと感じていたのに全然なくなってた。寧ろ声質がすごく好き。ダントンの熱さとはまた違って穏やかさの中に情熱を秘めているような感じでかなり良かった。

自由について語るその語り口が理想論じみててロナンに若干懐疑的に見られてる感じとか、「同情しているよ」とか「兄弟のように迎えてやったつもりだ」とか地雷を踏み抜く勢いで傲慢な発言してるところとかちょっとズレてる感じが同じ平民でもロナンとの差を感じさせる。そりゃロナンに「父親を殺される悔しさがわかるはずない!」って反発されますわ。それもすごく好きなんだけどね。

 

ソレーヌ:ソニン

やっぱり力強い歌声は武器だよなー、かっこよさ感じる。ただ逆にもっと抑えるところは抑えた方がいいんじゃないかとも思った。多分他の作品でも度々観てるから思うのかもしれないけどパワフルすぎて聞いててすこし疲れちゃうんだよね。

 

アルトワ伯:吉野圭吾

妖艶さがパワーアップしててびっくりした。まさか媚薬があんなに光り輝くとは予想しないじゃん、普通。演じてる本人は真面目なんだろうけど思わず笑っちゃった。オランプへの執着が激しくて「オランプ逃げてー」って応援したくなるwいろんな意味で大好きだわ。

 

ラマール:坂元健児

初演と変わらず秘密警察の面白さと愛おしさは健在。アルトワ伯の催眠術にかかりやすすぎて目を隠しながらオランプを助けようとしたり、身代わりになって媚薬飲んだりして健気すぎるでしょ。でもオランプの眼中にはないっていう不憫さ。ロナンに銃を取られた上にそれがオランプに渡って突きつけられる不条理。秘密警察としての立場とオランプを助けたい気持ちの間で右往左往してるのがたまらなく好き。

この日の客席いじりは「生前はロン毛の似合う美人だったに違いない、頬骨の感じでわかる」でした。

 

ペイロール:岡幸二郎

初演のときより怖さが増してた。鞭捌きも焼鏝も迫力がすごくて徹ちゃんが小柄なのも相まって拷問シーンのロナンが本当にボロ布のように感じられて怖かった。兵士にも鞭が当たっちゃってたのはちょっと可愛かったけど。

 

フェルゼン伯爵:広瀬友祐

王妃に国外へ逃げるように進言しにいく場面でそれを断られて片膝をついたまま拳が震えていてグッと堪えた末に立ち上がって去っていくのが切なくて苦しくなるくらいだった。最終的に王妃とは恋人にはなれないのが分かっているだけにその前の場面を見てても切なくなる。

 

 

 

もう全部ひっくるめて1789大好き!早くもロスに陥って苦しい…。早く次の観劇日がきてほしいけど終わってほしくないとも思うジレンマ。今回こそDVD発売してほしい。