右手と左手に一つずつ

好きなことと日常生活についての雑記

「君が人生の時」を観てきた 6/24・25

 

超今更だけど感想。 

思った以上に見応えがあって、舞台の上で色んな人の人生が交錯して酒場という1つの場所が形作られていたのがとても印象的だった。酒場の空気が交わる人によって目まぐるしく変わっていくのが面白くて、それぞれの役としてのキャラクターをじっと観察したくなる感じだった。

 

酒場の中で色んな人が動く中で足が悪いらしいジョーは動きが少なく、他の人から少し浮いている印象があったけど第二幕からキティのためにおもちゃを探しに行ったり、車を借りに行ったりと動きが出てきて初めに抱いていた異質感が減っていった。特に最後の酒場を去る場面でジョーも異質なモノではなく、酒場で交錯していた人生の1つにすぎないんじゃないかと思った。

ジョーが拳銃の引き金を引いても弾がなかったために撃ち損じてへたり込む場面の表情がすごく切なかった。ジョーが酒場を去った理由がはっきり語られているわけではないけど酒場を守れなかったことが一因としてあるのは確かだと思う。あとはブリックが入ってきたときの空気の悪さも含めて酒場の雰囲気そのものが好きだったんじゃないかとも思った。

 

登場人物が多くてなかなか全部を観察できないのが残念なんだけど、ホラ吹きのキットがブリックを撃ったことを語っているところがすごく好きだった。

それと個人的に好きだったのは、初めのうちは酒場に来る人たちにそれぞれの立ち位置があるかのようにある程度決まった場所にいたのに、徐々に境目がなくなってタップダンスにピアノが加わりハーモニカが加わり樽パーカッションが入っていくところに酒場で交錯する人生を感じた。

 

おまけ的な感想としてはトムに買ってこさせたおもちゃの中でマリオネットを動かしているところがすごく可愛かった。あと「何かと何かじゃない~」というセリフで誕生と死の順番が逆になって言い直してたり、ニックの母親が酒場から出て行ったあとで「今の誰ぇ?」の言い方が可愛かった。